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後遺障害等級認定

後遺障害とは何なのか、そして後遺障害等級が認定されるのとそうでないのとではどう違うのかについてご説明いたします。

PTSDについて

PTSDについて

交通事故による強烈な恐怖体験により、心に大きな傷を負い、フラッシュバック症状や事故に関連することを回避しようとするなどの症状が現れることがあります。このような症状を、医学的にPTSD(Post Traumatic Stress Disorderの略)と呼んでいます。

PTSDも、非器質性精神障害のひとつであり、日常生活に支障をきたす後遺障害として認定される余地がありますが、現実に後遺障害として認定されるためには高いハードルがあります。

その認定基準については、WHO(世界保健機関)が定めた診断基準である「ICD-10」や、APA(米国精神医学会)の「DSM-Ⅳ」の診断基準等がありますが、これらの基準を参考にして、裁判などではPTSDが認められるためには、次のような症状が必要とされています。

  1. 重症や同乗者の死など、強烈な恐怖体験による外傷的出来事の存在
  2. 意思に反した再体験症状(フラッシュバック)の反復
  3. 事故場所や場面の無意識的・持続的な回避症状
  4. 持続的な覚醒亢進症状(睡眠障害、集中力低下等)

しかし、自賠責調査事務所などの後遺障害の認定機関は、(1)当該交通事故の被害が、強烈な外傷体験に当たるか否かという点を厳しく判断します。また、(2)再体験症状、つまりトラウマとなっている体験を思い出したくないのに繰り返し再体験する症状や、(3)回避症状、外傷体験を思い出す刺激から回避しようという症状、(4)覚醒亢進症状、常に危険を感じ、これに身構える緊張状態が続き、睡眠障害や集中力低下等の症状が認められることが必要であり、単にPTSDの診断書があるだけでは、なかなか認定されません。

非器質性精神障害と後遺障害の認定ポイント

非器質性精神障害と後遺障害の認定ポイント

非器質性精神障害が後遺障害として認定されるためのポイントとして次の3つがあります。

1.交通事故との因果関係

非器質性精神障害の場合は、交通事故で発症したと言えるのか、つまり因果関係の認定が難しいという問題があります。物理的な外傷や衝撃を伴う器質的な損傷の場合は医学的知見をもって障害の発生を認定することができます。しかし、非器質性の精神障害では、人間の精神(こころ)の内面を客観的かつ明確に把握することは難しいものがあります。また、交通事故だけに限らず、家庭環境や職場環境の影響によっても発症する可能性もあります。

因果関係が認定されるためには、発症時期や精神障害の症状、他の要因の有無などを総合的に判断されることになります。仮に、因果関係が認められたとしても、他の要因の影響や本人の性格等を考慮して、ある程度、賠償金が減額されてしまうこともあります(素因減額)。そのため、交通事故による発症であることを説明しつつ、他に有力な発症原因が存在しないことも示すことが重要なポイントになります。

2.医師による治療

非器質性精神障害が後遺障害として認定されるためには、精神障害が残存していることを医学的に証明していく必要があります。非器質性精神障害の場合、CTやMRIなどの画像により、脳や神経組織の損傷個所の異常が確認できる訳ではありません。被害者の方が、「うつ症状がある」、「記憶障害がある」と訴えても、それだけを根拠に後遺障害が認定される訳ではありません。

精神障害が発症した場合は、速やかに精神科医などの専門医による適切な治療をうけることが重要なポイントになります。そして、専門医による適切な治療を受けてもなお症状が改善しない場合に、はじめて後遺障害として認められる余地があるのです。また、精神障害の存在が認められても、発症後に適切な治療を受けていなかった場合、適切な治療を受けていれば精神障害は回復していたとして、後遺障害と認められない可能性もあります。

3.症状固定の判断時期

さらに、非器質性精神障害における後遺障害認定の問題点としては、非器質性精神障害は、ある程度症状が続いても、その後に治癒する可能性があるので、症状固定の時期の判断が難しいという点があります。というのも治療により回復の余地が認められるのであれば、後遺障害とは認められないからです。

精神科等の専門医による診察を受け、治療と投薬がなされ、十分な治療期間があったにもかかわらず、具体的な残存症状や能力の低下がみられ、それらに対する回復の見込みに関する判断(症状固定)が適切に行われていることも重要なポイントになります。

非器質性精神障害と後遺障害の認定基準

非器質性精神障害と後遺障害の認定基準

非器質性精神障害が後遺障害として認定されるには、厚生労働省が通達した労災の障害等級認定基準に該当する必要があります。交通事故による後遺障害の認定実務では、この基準が使用されているからです。

具体的には、(ア)の精神症状のうち、ひとつ以上が認められることが必要であり、かつ、(イ)の能力に関する判断項目のうち、ひとつ以上の能力について(能力の欠如や低下)が認められることが必要となります。

(ア)精神症状

  1. 抑うつ状態
  2. 不安の状態
  3. 意欲低下の状態
  4. 慢性化した幻覚・妄想性の状態
  5. 記憶または知的能力の障害
  6. その他の障害(衝動性の障害、不定愁訴など)

(イ)能力に関する判断項目

  1. 身辺日常生活
  2. 仕事・生活に積極性・関心を持つこと
  3. 通勤・勤務時間の厳守
  4. 普通に作業を持続すること
  5. 他人との意思伝達
  6. 対人関係・協調性
  7. 身辺の安全保持、危機の回避
  8. 困難・失敗への対応

(ア)精神症状

1.抑うつ状態

持続するうつ気分(悲しい、寂しい、憂うつである、希望がない、絶望的であるなど)、何をするにもおっくうになる。それまで楽しかったことに対して楽しいという感情がなくなる、気が進まない等の状態とされます。

2.不安の状態

全般的不安や恐怖、心気症、強迫など強い不安が続き、強い苦悩を示す状態とされます。

3.意欲低下の状態

全てのことに対して関心がわかず、自発性が乏しくなる、自ら積極的に行動せず、行動を起こしても長続きしない。口数が少なくなり、日常生活上の身の回りのことにも無精となる状態とされています。

4.慢性化した幻覚・妄想性の状態

自分に対する噂や悪口あるいは命令が聞こえる等、実際には存在しないものを知覚体験すること(幻覚)、自分が他者から害をくわえられている、食べ物や薬に毒が入っている、自分は特別な能力を持っているなど内容が間違っており、確信が異常に強く、訂正不可能であり、その人個人だけ限定された意味付け(妄想)等の幻覚、妄想を持続的に示す状態とされています。

5.記憶または知的能力の障害

非器質性の記憶障害としては、解離性(心因性)健忘があります。自分が誰であり、どんな生活史を持っているかをすっかり忘れてしまう全生活史健忘または生活史の中の一定の時期や出来事のことを思い出せない状態とされています。

6.その他の障害(衝動性の障害、不定愁訴など)

その他の障害には、上記1~5に分類できない症状、多動(落ち着きのなさ)、衝動行動、徘徊、身体的な自覚症状や不定愁訴などがあげられます。

(イ)能力に関する判断項目

1.身辺日常生活

入浴をすることや更衣をすることなど清潔保持を適切にすることができるか、規則的に十分な食事をすることができるかについて判定されます。なお、食事、入浴、更衣以外の動作については、特筆すべき事項がある場合には加味しての判定がなされます。

2.仕事・生活に積極性・関心を持つこと

仕事の内容、職場での生活や働くことそのもの、世の中の出来事、テレビ、娯楽等の日常生活に対する意欲や関心があるか否かについての判定がなされます。

3.通勤・勤務時間の遵守

規則的な通勤や出勤時間等、約束時間の遵守が可能かどうかについて判定がなされます。

4.普通に作業を持続すること

就業規則に則った就労が可能かどうか、普通の集中力・持続力をもって業務を遂行できるかどうかについて判定がなされます。

5.他人との意思伝達

職場において上司・同僚等に対して発言を自主的にできるかなど、他人とのコミュニケーションが適切にできるかの判定がなされます。

6.対人関係・協調性

職場において上司・同僚と円滑な共同作業、社会的行動ができるかどうかなどについて判定がなされます。

7.身辺の安全保持・危機の回避

職場における危険等から適切に身を守れるかどうかの判定がなされます。

8.困難・失敗への対応

職場において新たな業務上のストレスを受けたとき、ひどく緊張したり、混乱することなく対処できるかなど、どの程度適切に対応できるかの判定がなされます。

非器質性精神障害と後遺障害の等級

上記の(ア)精神症状、(イ)能力に関する判断項目に照らして、非器質的精神障害が認められる場合、その障害の程度に応じて後遺障害の等級が判断されることになります。

そして、非器質性精神障害の後遺障害等級は、その精神障害の程度に応じて9級、12級、14級の3段階に区分されています。

9級10号

通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、就労可能な職種が相当な程度に制限されるもの
具体的には、

  1. 就労している者、または就労の意欲はあるものの就労はしていない場合、(イ)の2~8のいずれかひとつの能力が失われているもの。または、(イ)の4つ以上についてしばしば助言・援助が必要とされる障害を残しているもの
  2. 就労意欲の低下または欠落により就労していない場合、(イ)の1について、ときに助言・援助を必要とする程度の障害が残存しているもの

12級相当

通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、多少の障害を残すもの
具体的には、

  1. 就労している者、または就労の意欲はあるものの就労していない場合、(イ)の4つ以上について、ときに助言・援助が必要と判断される障害を残しているもの
  2. 就労意欲の低下または欠落により就労していない場合、(イ)の1について、適切またはおおむねできるもの

14級相当

通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、軽微な障害を残すもの
具体的には、(イ)のひとつ以上について、ときに助言・援助が必要と判断される障害を残しているもの

精神の後遺障害(うつ病、PTSDなど)

非器質性精神障害と後遺障害

交通事故の被害にあって経験した恐怖体験が引き金となり、いわゆるPTSDを発症したり、また、交通事故による身体的な障害、例えば頸椎捻挫(むち打ち)などの障害による首の慢性的な痛みなどに悩まされ、うつ病を発症することがあります。このような精神的障害も後遺障害として認定されることがあります。

このような精神的な障害のことを「非器質性精神障害」と言います。

器質性とは、

交通事故による外部からの物理的な力が加わった受傷により、身体組織に異常な事態が発生するもののことを言います。

非器質性とは、

脳組織の器質的損傷を伴わない、つまり脳組織に物理的な損傷がない精神障害として、高次脳機能障害や身体性機能障害とは区別されます。

非器質性精神障害にあたる病名としては、うつ病やPTSDのほか、外傷性神経症、不安神経症、強迫性障害、恐怖症、心気神経症、神経性無食症などの神経症(ノイローゼ)や統合失調症など、さまざまです。

歯牙の障害

歯牙の障害

口の後遺障害には歯を失った場合に認められる歯牙の障害があります。これは、失った歯の本数に応じて後遺障害の等級が定まることになります。後遺障害等級表にある“歯科補綴”(しかほてつ)とは、欠損した歯を人工物で補うことをいいます。

喪失した歯の数と、義歯の数が一致しない場合には、喪失した歯の数を基準に補綴数を数えることになります。例えば、4本の歯を喪失し、歯と歯の間にすき間があったため、5本の義歯を補綴した場合には、4歯の補綴として扱われることになるのです。

10球4号

14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

11級4号

10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

12級3号

7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

13級5号

5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

14級2号

3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

味覚の障害

味覚の障害

交通事故によって、頭部外傷やその他、舌や顎の組織が損傷してしまうことにより、味覚が失われる(味覚脱失)、味覚が減退する(味覚減退)などの機能障害が残ってしまうことがあります。

味覚の障害については、自賠責施行令に定める後遺障害等級表には明示されていませんが、同程度の後遺障害に準じて次のように扱われます。

12級相当

味覚を脱失したもの
⇒甘味、塩味、酸味、苦味の4つの基本の味の全てが分からない場合のことをいいます。

14級相当

味覚を減退したもの
⇒甘味、塩味、酸味、苦味の4つの基本の味のうち、一つ以上の味が分からない場合のことをいいます。

咀嚼や言語の機能障害

咀嚼や言語の機能障害

咀嚼(そしゃく)とは、食べたものを噛み砕き、消化を助けることをいいます。言語の機能とは、4種類の語音を発声する機能をいいます。交通事故によるこれらの機能障害については、その障害の程度に応じて次のように後遺障害等級が定められています。

※4種類の語音とは、
言語機能の後遺障害は、言語の音にあたる4種類の語音が発声できるかどうかによって区別されます。また、人の言語は、語音を一定の順序に連結して言語が作られますが、これを綴音(てつおん、ていおん)といいます。
口唇音(こうしんおん)
⇒ま行音、ぱ行音、ば行音、わ行音、ふ
歯舌音(しぜつおん)
⇒な行音、た行音、だ行音、ら行音、さ行音、しゅ、し、ざ行音、じゅ
口蓋音(こうがいおん)
⇒か行音、が行音、や行音、ひ、にゅ、ぎゅ、ん
喉頭音(こうとうおん)
⇒は行音、

1級2号

咀嚼及び言語の機能を廃したもの
⇒流動食以外は食べられない状態、および4種の語音のうち、3種以上の発音ができなくなってしまった場合

3級2号

咀嚼又は言語の機能を廃したもの
⇒流動食以外は食べられない状態、または4種の語音のうち、3種以上の発音ができなくなってしまった場合

4級2号

咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの

  1. 粥食またはこれと同様の食事以外ができない状態
  2. 4種の語音のうち2種の発音が不能のもの、または綴音機能に障害があるため、言語のみを用いては意思を疎通することができないこと

の両方を満たす場合をいいます。

6級2号

咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの

  1. 粥食またはこれと同様の食事以外ができない状態
  2. 4種の語音のうち2種の発音が不能なもの、または綴音機能に障害があるため、言語のみを用いては意思を疎通することができないこと

のどちらかを満たす場合をいいます。

9級6号

咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの

  1. 固形食物の中に咀嚼ができないものがあること、または咀嚼が十分にできないものがあり、そのことが医学的に確認できること(例えば、ご飯や煮魚、ハムなどは咀嚼することはできるが、たくあんやらっきょう、ピーナッツなど、ある程度のかたさのものを十分に咀嚼できない場合がこれにあたります)
  2. 4種の語音のうち1種の発音が不能なもの

の両方を満たす場合をいいます。

10級3号

咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの

  1. 固形食物の中に咀嚼ができないものがあること、または咀嚼が十分にできないものがあり、そのことが医学的に確認できること(例えば、ご飯や煮魚、ハムなどは咀嚼することはできるが、たくあんやらっきょう、ピーナッツなど、ある程度のかたさのものを十分に咀嚼できない場合がこれにあたります
  2. 4種の語音のうち1種の発音が不能のもの

のどちらかを満たす場合をいいます。

口の後遺障害

口の後遺障害

口の後遺障害には、①咀嚼(噛み砕くこと)や言語の機能に障害が残る場合、②味覚に障害が残る場合、③歯牙(しが)の障害の3つがあります。

それぞれ、その障害の程度に応じて後遺障害の等級が定められています。

耳鳴りや耳漏

耳鳴りや耳漏

耳鳴り

交通事故の被害に遭った後、耳鳴りが止まらないなどの症状が残ってしまったときは、後遺障害として認定される可能性があります。耳鳴りの検査方法としては、「ピッチ・マッチ検査」や「ラウドネス・バランス検査」などがあります。

ピッチ・マッチ検査は、異なる23種類の音を聞き、耳鳴りがどの音に一番近いかを調べて「耳鳴りの周波数」を検査するものです。ラウドネス・バランス検査は、ピッチ・マッチ検査で特定された耳鳴りの周波数を使って、その周波数の音量を徐々に上げ下げしながら、耳鳴りと同じ大きさの音量を探り、「耳鳴りの音の大きさ」を検査するものです。ピッチ・マッチ検査とラウドネス・バランス検査の両方を行うことで、どの高さの耳鳴りがどの程度の大きさで聞こえているのかを測定できることになります。

そして、耳鳴りが後遺障害として認定されるためには、30dB以上の難聴を伴うことが必要とされています。そのため、併せて聴力の検査(純音聴力検査や語音聴力検査など)を行う必要があります。耳鳴りの後遺障害の認定は労災の認定基準に準じて行われますが、耳鳴りの程度によって次のように判断されます。

耳鳴りに関する障害

12級相当
⇒30dB以上の難聴をともない、著しい耳鳴りを常時残すことが他覚的検査により立証可能なもの
14級相当
⇒30dB以上の難聴をともない、常時耳鳴りがあることが合理的に説明できるもの

「著しい耳鳴り」とは、先ほどご紹介した検査などで耳鳴りが存在することが認められていることを医学的に評価できる場合をいい、「常時」とは、昼間は自覚症状がなくても夜間に自覚症状が生じる場合も「常時」にあたるとされています。

耳漏

耳漏とは、交通事故により鼓膜に穴があいて分泌液が流れ出てしまう症状のことをいいます。耳漏が後遺障害と認定されるには、手術により治療をしたうえでなお耳漏がある場合に加え、30dB以上の難聴をともなうことが必要とされています。耳漏についても耳鳴りと同様、後遺障害の認定は労災の認定基準に準じて行われます。

耳漏に関する障害

12級相当
⇒30dB以上の難聴で、常時耳漏を残すもの
14級相当
⇒30dB以上の難聴で、耳漏を残すもの

聴力に関する障害

聴力に関する障害

交通事故によって聴力を失ったり、低下してしまった場合には、後遺障害の認定対象となります。
聴力については、主に純音聴力検査語音聴力検査で検査をし判定を行います。

純音聴力検査

純音聴力検査は、一般にオージオメータという検査機器を使って、音が聞こえるかどうかを検査するものです。人の聴力には、空気の振動によって音を把握する聴力である気導聴力と、頭蓋骨の振動によって音を把握する聴力である骨導聴力があり、この両方を検査することで純音聴力レベルを把握することができます。純音聴力検査の結果は、聴力レベルとデシベル(dB)という単位で表わされ、後遺障害認定では3回以上行った検査結果の平均で判断されます。

語音聴力検査

語音聴力検査は、「に」「さん」「よん」「ご」など言葉の聞き取りやすさを調べる検査です。語音聴力検査の結果は明瞭度で表わされ、最高明瞭度を100%として、%という単位で表わされます。

後遺障害の等級認定に必要な聴力検査は、治療効果が期待できない状況、つまり症状が固定した後に行います。検査の実施に際しては日を変えて3回行い、検査と検査の間隔は少なくとも7日程度は空けなければなりません。(ただし、語音聴力検査の回数は、検査結果が適正と判断できる場合には1回でも構いません)

すべての耳鼻科医が後遺障害認定のための検査方法を熟知している訳ではありませんので、検査に当たっては後遺障害認定のために必要であることを伝えて、上記の点に踏まえて検査が行われているかを確認してください。

純音聴力検査や語音聴力検査は、検査を受ける人の返答を必要とする検査であるのに対し、そのような検査を受ける人の返答を必要としない検査として、ABRやSRという検査があります。ABRは音の刺激に対する脳の電気生理学的な反応を感知して、その波形を記録する検査です。SRは中耳のあぶみ骨にある耳小骨筋が音に反応して収縮することから、これを感知して検査する方法です。これらの検査は、他覚所見を確認するために、純音聴力検査や語音聴力検査に加えて行われます。

聴力に関する後遺障害は、両耳と片耳の聴力に関して、その聴力低下の程度に応じて各等級が定められています。

両耳の聴力に関する障害

4級3号 両耳の聴力を全く失ったもの

⇒両耳の平均純音聴力レベルが90dB以上、または両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上で、かつ最高明瞭度が30%以下のものをいいます。

6級3号 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの

⇒両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上、または両耳の平均純音聴力レベルが50~80dB未満で、かつ最高明瞭度が30%以下のものをいいます。

6級4号 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

⇒1耳の平均純音聴力レベルが90dB以上、かつ他耳の平均純音聴力レベルが70dB以上のものをいいます。

7級2号 両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

⇒両耳の平均純音聴力レベルが70dB以上、または両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上で、かつ最高明瞭度が50%以下のものをいいます。

7級3号 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

⇒1耳の平均純音聴力レベルが90dB以上、かつ他耳の平均純音聴力レベルが60dB以上のものをいいます。

9級7号 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

⇒両耳の平均純音聴力レベルが両耳60dB以上、または両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上で、かつ最高明瞭度が70%以下のものをいいます。

9級8号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの

⇒1耳の平均純音聴力レベルが80dB以上で、かつ他耳の平均純音聴力レベルが50dB以上のものをいいます。

10級5号 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの

⇒両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上、または両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上で、かつ最高明瞭度が70%以下のものをいいます。

11級5号 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

⇒両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上のものをいいます。

1耳の聴力に関する障害

9級9号 1耳の聴力を全く失ったもの

⇒1耳の平均純音聴力レベルが90dB以上のものをいいます。

10級6号 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの

⇒平均純音聴力レベルが80~90dB未満のものをいいます。

11級6号 1耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

⇒平均純音聴力レベルが70~80dB未満、または50dB以上で、かつ最高明瞭度が50%以下のものをいいます。

14級3号 1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

⇒平均純音聴力レベルが40~70dB未満のものをいいます。

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