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眼球の運動機能に関する障害

投稿日:2014/03/29

眼球の運動機能に関する障害

人の眼球は、水平、垂直、回旋という3つの運動を行うことができます。これによって正常な視野が確保されます。しかし、交通事故によりこの眼球の運動を支配する神経を損傷したり、眼球の向きを変える筋肉である外眼筋が損傷すると、眼球の運動が制限されてしまい、視野が狭くなるなどの障害が生じることがあります。

眼球の運動機能に関する後遺障害については、次の表のとおり等級が定められています。

10級2号 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
11級1号 両眼の眼球に著しい運動障害を残すもの
12級1号 1眼の眼球に著しい運動障害を残すもの
13級2号 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの

複視

眼球は、その周りを囲んでいる複数の眼筋によって正常な状態にバランスよく保たれています。そのうちの一つの筋肉でも麻痺してしまうと、眼を支えるバランスが崩れてしまい、眼の動きが制限されてしまいます。これによって、物が二重に見える症状が起こることがあります。これが、複視です。

複視の有無は、ヘススクリーンテストなどの眼球運動検査を行って測定します。

「正面を見た場合に複視の症状を残すもの」の場合とは、ヘススクリーンテストにより正面を見た場合に複視が中心の位置にあることが確認される場合をいいます。

逆に、「正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの」とは、それ以外の複視の場合をいいます。

そして、具体的に「複視を残すもの」として認められるためには、

  1. 本人が複視のあることを自覚していること
  2. 眼筋の麻痺等複視を残す明らかな原因が認められること
  3. ヘススクリーンテストにより患側の像が健側の像よりも水平方向または垂直方向の目盛りで5度以上離れた位置にあることが確認されること

が必要とされています。

※ヘススクリーンテストとは、
指標を赤緑ガラスで見たときの片眼の赤像、他眼の緑像から両眼の位置ずれを評価する検査方法です。

※健側、患側とは、
 健側-障害や麻痺のない側
 患側-障害や麻痺のある側

注視野の制限

眼球運動が制限されたことにより、注視野の広さが狭まった場合も後遺障害が認定されることになります。

※注視野とは、
頭部を固定した状態で眼球だけを動かして直視できる範囲のことです。

※眼球に著しい運動障害を残すものとは、
注視野の広さが正常の場合の1/2以下に狭まったものをいいます。


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