後遺障害等級認定、異議申立て、自賠責保険請求手続きを通じて交通事故の被害に遭われた方をサポート|三重|行政書士・社会保険労務士にしむら労法務事務所

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仮渡金制度

投稿日:2021/04/05

1.仮渡金制度

自動車事故で怪我を負った被害者は、損害賠償責任又は損害額が未確定の段階においても、治療費などの当座の費用に充てるために、自賠責保険会社に仮渡金を請求することができます。

これは、自動車事故においては損害賠償責任又は損害額が確定するのに相当な期間がかかるため、当座の費用について損害賠償金の一部を先渡しすることにより、被害者の早期救済を図ろうとする制度です。

2.仮渡金額

仮渡金額については、自賠法施行令5条で、一定額が定められています。

①死亡した者・・・290万円

②次の傷害を受けた者・・・40万円

イ、脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状を有するもの

ロ、上腕又は前腕の骨折で合併症を有するもの

ハ、大腿又は下腿の骨折

ニ、内蔵の破裂で腹膜炎を併発したもの

ホ、14日以上病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のもの

③次の傷害(②のイからホまでに掲げる傷害を除く)を受けた者・・・20万円

イ、脊柱の骨折

ロ、上腕又は前腕の骨折

ハ、内臓の破裂

ニ、病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のもの

ホ、14日以上病院に入院することを要する傷害

④11日以上の医師の治療を要する傷害(②のイからホまでおよび③のイからホに掲げる傷害を除く)を受けた者

・・・5万円

3.仮渡金の請求手続

いわゆる被害者請求の手続が準用されますが、損害調査によって、必ずしも損害賠償責任および損害額が確定しなくても、政令に定められた一定額の支払が行われるものですので、損害額の算出基礎に関する書面の提出は必要ありません。「事故の発生」と「政令に定められた上記人身損害」の証明資料を揃えて請求すれば、比較的短期間に支払われます。

4.損害額確定後の清算

仮渡金は、後日損害額が確定して損害賠償額が支払われる際に控除されます。また、確定した損害額を超えるときは、自賠責保険会社はその超える金額の返還を被害者に求めることができます。


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